2008年6月8日(日)17:07

アイルランドのEU担当相はリスボン条約否決に警鐘

ダブリン(AFP)

賛否が拮抗する世論調査の結果を受けて、アイルランドのディック・ロシェEU担当相は国民に対して、木曜日のEU改革リスボン条約批准の国民投票では反対票を投じぬよう警告した。否決はEUを深刻な危機に陥れる。その場合最も大きな損害を蒙るのはアイルランド国民自身である。なぜならアイルランドほどEUの力強い展開と能力から恩恵を受けている国はないからだ、とロシェEU担当相はイギリスのテレビ、スカイ・ニュースに語った。

サンデー・ビジネス・ポストで報じられた国民投票前の最後の世論調査では、賛成が42パーセントで反対の39パーセントを若干上回っている。だが2週間前の世論調査機関Red Cの調査から反対は6ポイント増えているのに対し、賛成は1ポイントしか増えていない。しかし反対と答えた人の多くも、実際に投票に行くか否かを決めかねていると述べている。

6月12日のアイルランドの国民投票はEU全体から大きな注目を集めている。3年前のフランスとオランダの国民投票によるEU憲法の批准否決を受けて、加盟27ヶ国の大半は苦労の末合意に達したリスボン条約の批准について、もはや国民投票によらず議会で批准することを決定している。しかし唯一アイルランドは憲法で国民投票の実施が定められている。もし400万足らずの有権者がリスボン条約を否決すれば、約5億の人口を抱えるEUは大混乱に陥るであろう。先日、欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は、代案となる「B案」はないと警鐘を鳴らした。

ロシェEU担当相は、確かにリスボン条約は「多層的で複雑」であると認めたが、しかしこれは痛いところを隠す意図によるものではないと説明した。EU担当相は、「きわめて異常なネガティブキャンペーン」を行っているとして、リスボン条約反対派を非難した。「彼らは思いつくことを一切合財EUのせいにしている。反対派のキャンペーンで取り上げられる問題の大部分は、リスボン条約にまったく記されていないことばかりだ」、とロシェEU担当相は批判した。

原題:Irischer Europa-Minister warnt vor Ablehnung des EU-Vertrags




ホームへ戻る